もう先週のことになってしまうのだけど、毎日歌壇に一ヶ月くらい前に投稿した短歌が加藤治郎氏撰で掲載された。
僕たちに切り札なんかありゃしない ほらJokerがまつりごとを説く
もちろんトランプ次期大統領のことである。
詠んだ時は投票の一週間ほど前で、ヒラリーが優勢という情勢で、私もヒラリーが勝つだろう(それはそれで面白くないけど)と思っていた。だが、蓋を開けてみるとJokerがPresidentになっちゃうというわけである。
この歌は、仲間と毎月やっている歌会のために詠んだもので、「祭り」がテーマだった。
だが、引きこもって仕事ばかりしていたので、とても祭りについて思いを巡らせる気分ではなかったので、テーマを「まつりごと」に読み替えて時々ネタを題材にして詠んだ。
大統領選を見ていて改めて思ったのが、政治(まつりごと)はまさに祭りであるということだ。ああやって、時々日常的に溜まった不満をガス抜きすることで社会の秩序を維持している。
トランプはやはりJokerだと思うけれども、彼に投票したくなってしまうほど追い詰められたり、強い不満を持っている人々が一定程度存在するということは無視できないし、耳に心地よいことを吹聴する氏を切り札として持ち上げてしまう彼らを愚かであると嗤うことも私にはできない。ただのガス抜きでは済まなくなるくらいに社会が混乱しないよう、追い詰められた人々に配慮を示す社会であってほしい。